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鉄道は生まれたときから親しいものだった。
僕が生まれたころ、僕の家から五分のところに西武鉄道の駅があった。
剥き出しの台車が手すりの向こう1mのところで轟音を立てて回り、
重たい車体が地面を揺さぶりながら右へ左へ消えていく・・・
それが僕の元風景だと思う。
日々は過ぎ去り、西武線には次々と新型が投入された。
洗練されたデザインが、昭和の名残を残す古めかしい車体とすれ違う。
時代の違いを認識するべき風景だが、僕の記憶にはそうは写っていない。
古いのも新しいのもひっくるめて、全てがその"子供時代"なのだ。
いつまでも続く繁栄は実のところ割と早くに終焉した。
"廃車"という単語を初めて見たのは本の上だった。
当時の国鉄のブルートレインが"廃車"されて姿を消しつつあるという。
そのときは特に意味も考えなかったが、あれから十年経ってしまった。
僕の"時代"が僕からだいぶ遅れて取り壊されてきた。
西武に残っていた湘南型ガルダン車、1999年全廃。
今も西武に残る湘南型山岳対応車、2005年全廃予定。
あの重さが、音が、熱が、空間が、全てが消え去る日。
確実に僕の周りで時代が変わっていることを痛感させられた。
鉄道は節目を迎えている。
ブルートレイン、新幹線0系、100系を始め、国鉄型の車両は軒並み引退間近だ。
時代は省エネと新デザインへ突き進んでいる。
また失われるものを取り留めるために僕は何が出来るのか。
この思いは取り留めることが出来るのだろうか。
写真?録音?部品取り?それとも、乗って体感すること?
どうしようも出来ない満たされない思い、それこそが鉄道の全て。
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